1975年 オーストラリア
叙情的な曲とサウンドが印象的な作品。
アルバムジャケットの幻想的な雰囲気は作品の内容を良くあらわしている。夜明けの空のグラデーションのような、柔らかくカラフルなサウンドが全編にわたって繰り広げられ、聴く者の内部に多彩なイマジネーションを生ぜしめる。
プログレッシヴ・ロックと一言にいってもその音楽性はグループの数だけあり、「プログレッシヴ・ロック」という呼称は枠にとらわれない音楽性を持つグループを無理に括ろうとしている気がしないでもない。
それぞれ個性的な芸術を目指しているという意味からいうと、「アート・ロック」というのが最も実情には即しているのかもしれない。
そんな個性的なグループのなかで、セバスチャン・ハーディーは非常に聞きやすく、親しみやすいプログレでもあると思う。彼らが音楽で表現しようとしている「イメージ」は何なのだろうか。
1曲目〜4曲目までは4楽章からなる組曲「FOUR MOMENTS」。
雄大なメロトロンの音が導くイントロから、圧倒的な表現力で楽曲が展開されていく。思わずハッとさせられるようなメロディの変化、起伏に富んだ曲展開。組曲という構成ではあるが、親しみやすいメロディが満載され、幻想的な世界を描き出していく。叙情的だが、希望に満ちたポジティヴな内容の曲だ。
5曲目「ROSANNA」を経て、アルバムを締めくくる「OPENINGS」の荘厳かつ愁いに満ちたオルガンのイントロが流れ出す。
「OPENINGS」は13分という長尺の曲だが、いささかもそれを感じさせないのが不思議だ。長いのだが、複雑ではない。かといって同じことの繰り返しでもない。それまでの優しげな印象が強い楽曲とうって変わって、哀愁の旋律をギターが歌いあげ、オルガン・メロトロンがその狭間で撫でるかのようなソロを奏でていく。そして、クライマックスでテンポアップしてからの情熱迸る演奏はまさに圧巻で、全員が一丸となって突っ走っていく。
これは全編を通して言えることだが、彼らの楽曲は、メインとなる主題部分のリフレインを主軸に据え、それをどう聴かせるのか?ということを考え抜いて作られたのではないかと思わせる。
プログレ・アートロックとしての表現内容はいささかも損ねることはなく、なおかつシンプル・簡潔な印象をも与える。統一感があり、すべてのパーツが一つにとけあっているのがその原因だろうか。
雄大で、おおらかでカラフルで優しげでありながら、同時に熱く滾るような激情をも感じさせる。「OPENINGS」にそれは顕著だ。ラテンの血を引くギタリスト兼ヴォーカリスト、マリオ・ミーロの持つセンス、感情表現がセバスチャン・ハーディーの音楽において、強烈なアクセントであり、同時にメインの音楽性ともなっているのだ。
真夏の海辺、星空、鮮烈な夕焼け・・なんだかそんな雄大な自然を思わせるような作品。やはりオーストラリアならではのおおらかな大自然が生んだ音楽だろうか。
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また遊びにきます〜♪
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