プロフィール

Author:coolhand
性別:男
年齢:26歳
所在地:大阪市
職業:営業
趣味:バンド(ギター担当。腕前は初級の上くらい)
   音楽(メタル・ハードロック・プログレ
      が多い。基本的には気に入れば何でも)
   読書(人文・哲学・小説など)

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知性と感情 プログレッシヴメタルの幕開け IMAGES AND WORDS / DREAM THEATER

イメージズ・アンド・ワーズ イメージズ・アンド・ワーズ
ドリーム・シアター (1997/12/15)
イーストウエスト・ジャパン
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1992年 アメリカ

プログレッシヴ・ハードロック(ヘヴィ・メタル)と超名盤にして開祖たるバンドの2作目。89年のデビュー作「WHEN DREAM AND DAY UNITE」発表後にヴォーカリストが脱退して3年間の沈黙を強いられたが、オペラの素養も持つヴォーカリスト、ジェイムズ・ラブリエを獲得し、さらなるスケールアップとともに復活して発表された。

プログレッシヴ・メタルというジャンルはこのドリームシアターが創造したと言っても過言ではない。コンセプト・複雑な楽曲展開・変拍子や超絶技巧など、プログレッシヴロックの方法論および特徴を踏襲するバンドは彼ら以前にも存在した(IT BITESなど)が、それらはハード・ロックやヘヴィ・メタルというよりもややソフトな印象が強く、内容としては素晴らしいとしてもメタルの攻撃性・重さといった観点からみるとあくまでも「プログレッシヴ・ロック」の継承であって、ハードロック・ヘヴィメタルには足を踏み入れていないサウンドだった。

しかし、70年代までの全盛期のプログレッシヴロックを聴きながら、なおかつ時代のトレンドともなりつつあった超攻撃的なメタリカ、メガデス等の「スラッシュ・メタル」をも含むヘヴィメタル全般とともに育った若きミュージシャン達は、メタル的な方法論でプログレッシヴ・ロックを創造した。(あるいは同時にその逆とも言えるかもしれないが)結果、それはそれまでどこにも存在しなかった新しい音楽となったのである。

スラッシュメタルのような怒涛のリフ、超高速のユニゾン・プレイ、ヘヴィ・メタリックなサウンド、メタルの固定観念に捉われない、万華鏡のようなカラフルな曲の数々、複雑極まりない曲展開、それらの多彩な要素が高次元でひとつに融合されてリスナーの耳に飛び込んでくる。多彩だが、決して混沌ではない。その多彩さの背後には強固な知性と論理的が存在し、統一している。メカニカルなほど機械的で正確だが、柔らかさ、温かみすらも感じさせる音つくりがされている。知性に支配されながら、感情の発露が少しも損なわれていない。両極端の要素が同じ強さで溶け合い、旋律を奏でていく。

アルバムは壮大な旋律をゆっくりと展開していく「Pull Me Under」から始まる。ヘヴィ・メタルのずっしりとした重さ。しかしこのような内省的かつ荘重さをも併せ持つ曲は、普通のメタルバンドからは絶対に出てこない。時にはアート・ロックと称されることもあるプログレッシヴ・ロックの芸術性や繊細な描写力を消化しているが故に、音楽に対してあらたな解釈を創造することができたのだろう。この1曲を聴いただけでそれがまざまざと感じられる。

「Another Day」は美しいバラード。要所で挿入されるサックスが素晴らしく曲を引き立てている。歌詞も意味深で、感動的だ。キーボードによって豊かに彩られる曲調は、少し翳りがあって決して明るくはないのだが、悲しさと、それでも前進しようとする意志、といったものを想起させられるような曲だ。

その後も各メンバーの超絶技巧によって圧倒的なまでの音楽による描写表現がなされるコンセプト曲「Metoroporis Part 1」、緩急自在に疾走する「Under A Glass Moon」キーボードによる美しい小曲「Wait For Sleep」そしてそれをイントロして始まる大曲「Learning To Live」等、全てに無駄のない、完璧な構成を誇っている。

ヘヴィ・メタル、ハードロックのダイナミズムと、プログレッシヴ・ロックの芸術性、繊細な描写力の共存。

彼ら以降、多くのプログレッシヴ・ヘヴィ・メタルバンドが続出し彼らに追随したが、超絶技巧や複雑さといった表面的なものをなぞっただけのグループ・作品も多い。そんな中、この作品はそれらの源流あるいは「本物」として、いつまでも輝き続けるであろうエバーグリーン的なアルバムである。

余談だが、個人的には一度、壮大な夕暮れの見える高地で「Another Day」を聴いてみたいといつも思っている。これはそんな曲である。

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