ファイアー・ダウン・アンダー / ライオット 1981年
NY出身のハードロック/ヘヴィメタルバンド、ライオットの3作目。
名作と言われながら99年までCD化されなかった。
日本ではライオットといえば1作目に収録の名曲「ウォリアー」や、再結成デビュー作「サンダースティール」に代表されるような、哀愁の泣きメロスピードメタル的な部分ばかりがクローズアップされている側面があるが、根底にはアメリカ生まれのタテノリのロックとしての基盤があり、泣きのメロディとともに豪快なロックンロールを併せ持つバンドだった。
ほこりっぽいサウンドが荒々しく激走する。ギターソロはドラマティックにまたブルージーに泣き叫び、ドラム、ベース、ギターが一体となり荒野を駆ける。1作目から4作目までのいわゆる「初期ライオット」は荒々しくて渋い。男の哀愁みたいなものが漂っている。本作に収録されている「アウトロウ」は無法者を歌った曲だが、メインのザックリとしたリフが実にカッコいい。
生き急ぐようなハイスピードのタイトル曲「ファイアー・ダウン・アンダー」はメンバーも演奏するのがとても難しかったそうな。3分もないが、速く、テンションが尋常でない。
「ソーズ・アンド・テキーラ」はオープニングを飾るスピードチューン。一聴すると地味だが、リフやサビの緊迫感のあるギターが聴かせる。「ウォリアー」のような曲とは趣が違うが、ライオットの魅力は泣きのメロディだけではないということを印象付ける豪快なロックナンバーの名曲だ。
全体の印象としては、埃っぽい荒々しさが、なにやら西部劇の世界を連想させなくもない。近年のライオットや、ジャーマン系のスピードメタルのようなカッチリとした演奏とは対極をなす、揺れも荒削りさもあるが、豪快かつ哀愁のメロディが詰まった聴き応えのある作品である。
本作を最後にヴォーカリストのガイ・スペランザが脱退し、バンドはレット・フォリスターを迎えてよりアメリカの土着的なロック色を強めた「レストレス・ブリード」を発表する。
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